読後感:「私の人生計画」本多静六著

 本多静六先生の「私の財産告白」は衝撃的だった。座右の銘とし、繰り返し読むべきだと即座に思い、そのとおり実践している。
 本書「人生計画の立て方」は同先生の別著であり、読むのを楽しみにしていたものである。

 金銭的に大成功を収めているのに、権威ある大学教授であるのに、そのことを威張るといったレベルを遥かに超越した境地におられる。

 「貧乏、失敗、悲哀は人生の貴重なる経験、これを乗り切っていくところに、真の人生がある」と言っている。確かに、楽しく、成功するばかりが人生ではない。これらをこのようにとらえる事が出来れば、苦しくとも人生をエンジョイ出来るだろう。
 
 「一般の社交場において、他人の欠点を指摘する必要はない」と言い切っている。ただその人の良い面だけを称揚せよ、と。このような道徳的な視点を身に着けているところが、著者の優れた点だ。思い上がったと自覚したならば、本多氏の著書を読んで見るべき。